テッド

今回お話しするのは、セス・マクファーレンが監督・脚本・製作の三役をこなした、あの人気の(そして問題の)コメディ映画『テッド』です。
 主人公、ジョン・ベネットは友達をうまく作れず、輪に入ろうとしても(いじめられっ子からさえも!)追い立てられてしまう、孤立しがちな少年でした。
そんなジョンの願いは「親友が欲しい」。そしてその願いは、天に聞き入れられるのでした。
 天はジョン・ベネット少年が大事に可愛がるクマのぬいぐるみ「テッド」に、命を吹き込んだのです。
二人は親友となり、いかなる時もお互いを裏切らず、そして雷の恐怖に共に打ち勝つ「雷兄弟」の契りを結び、それは二人が大人になるまで揺るぐことはありませんでした。

 とはいえ、かつては「命を宿したぬいぐるみ」として、世間の耳目を集めたテッドもその親友のジョンも、27年も経てばただのぬいぐるみと35歳の男。
 二人の何とも加齢臭とハッシュの匂い漂う、だらけて緩みきった日常に、若さの衰えを感じる男性なら、思わず共感を覚えずにはいられません。
 二人でテレビを見ながらビールを瓶から飲み干し、下ネタやくだらない言葉遊びに興じる。これも親友同士の一つの在り方と言えましょう。

 そんな二人ですが、ジョンの彼女、ローリーはぬいぐるみにいつまでもべったりな彼氏に、大人になること、つまりテッドからの卒業を訴えます。これが発端となり、ジョンはテッドを独り立ちさせ、生活の比重をローリーに傾けようと努力します。
 しかし、テッドからホームパーティにあのフラッシュゴードン(二人は彼の映画から善悪を学んだ、とまで言うほどに彼を崇拝しています)が来た、と誘われ、あえなくジョンはテッドの下に走り、それが原因でローリーとは破局。そしてその責任の所在と悲憤を、テッドへと向けてしまい、ジョンは一挙に彼女と親友の両方を失ってしまいます。

 それでも、テッドはジョンの親友でありました。一人ホテル暮らしを続けるジョンの下へ、雨の中を傘も差さずに訪ねて行きます。
 そして、ジョンの責任感のなさを指摘し、二人は大喧嘩に。それでも、やはり親友としてやっていくことを取り戻し、そして二人で彼女との復縁を試みます。
 テッドはローリーの下を訪ね、ジョンの居場所を伝えると、かつてジョンと与太話に花を咲かせたリビングで独りビールの栓を開けようとします。すると、そこへ最もやっかいなファンが……。

 これ以上はぜひとも本編を見てほしいです。
 この映画の芯は、ぬいぐるみと、よくもわるくも子供の心を残して育った男の、気取らない、お上品すぎない友情だと言えるでしょう。
 日本語訳の字幕も、元の英語をうまく日本語圏の文化に落とし込んだ意訳をされており、20~30代の男なら思わずうなることうけあいです。
  1. 2013/06/20(木) 07:31:36|
  2. 青春映画

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